美容クリニックの開院準備において、内装デザインや最新の医療機器選びには心血を注いでも、「ネットワーク設備」については「とりあえず繋がればいい」と後回しにされがちです。
しかし、いざ開院してみると「電子カルテの動きが重い」「写真のアップロードに時間がかかる」「Wi-Fiが頻繁に切れる」といったトラブルに悩まされるケースが後を絶ちません。デジタル化が進んだ現代のクリニックにおいて、ネットワークの停止は「診療の停止」に直結します。
本コラムでは、開院後に後悔しないための、ストレスフリーで強固なクリニック・インフラを構築する3つのポイントを解説します。

1.家庭用とは決定的に違う「業務用ルーター」の選択
開院コストを抑えるために、家電量販店で購入した家庭用ルーターをそのまま使用していませんか?これがトラブルの第一歩です。
接続数と安定性の壁
セキュリティの確保: 患者様の個人情報を扱うクリニックにとって、外部攻撃からネットワークを守るVPN機能や高度なファイアウォール設定は必須条件です。
同時接続デバイスの過多: クリニック内では、PC、タブレット、スマホ、さらにはIoT医療機器など、想像以上に多くのデバイスが同時に接続されます。家庭用では処理能力が追いつかず、頻繁にフリーズが発生します。
24時間365日の高負荷に耐える設計: 業務用の通信機器は、長時間稼働を前提に設計されており、耐久性と安定性が圧倒的に異なります。

2. 「配線計画」は内装デザインの一部と捉える
内装工事が完了した後にネットワークの不備に気づくと、露出配線で見栄えが悪くなったり、壁を壊しての追加工事で高額な費用が発生したりします。
「見えない部分」へのこだわりが診療を支える
図面段階でのインフラ設計: 受付、診察室、処置室など、どこでどの程度の通信が発生するかを事前に予測し、最適な位置にLANポートを配置する必要があります。
電波の死角を作らない: 美容クリニックはプライバシー保護のため壁が多く、Wi-Fiの電波が遮られやすい構造です。建物の構造を把握した上で、アクセスポイントの最適な設置場所を選定します。
将来の拡張性: 将来的なスタッフ増員や機器の追加を見越し、余裕を持たせた配線設計をしておくことが、長期的なコスト削減に繋がります。

3. 万が一に備えた「冗長化」と「保守体制」の構築
どんなに優れた設備でも、通信キャリア側の障害などでネットが止まるリスクはゼロではありません。
止まらない仕組み、すぐ直せる体制
リモート保守の活用: トラブル時に業者の到着を待つのではなく、遠隔で状況を把握し、即座に対応できる体制を整えておくことが重要です。
回線の二重化(冗長化): メイン回線がダウンした際に、自動的にサブ回線(4G/5G回線など)に切り替わる仕組みを導入することで、診療を止めるリスクを最小限に抑えます。
ワンストップの相談窓口: 「ネットが繋がらない」際、プロバイダ、内装業者、電子カルテメーカーのどこに原因があるか判断するのは困難です。通信インフラを一括管理するパートナーがいれば、原因究明と復旧が劇的に早まります。

4. ネットワークはクリニックの「血管」である
目には見えませんが、ネットワークはクリニックという組織を動かす「血管」のような存在です。ここが滞れば、どんなに素晴らしい技術やサービスも十分に提供することができません。
開院という大きな挑戦のスタート地点で、トラブルに振り回されず診療に集中できる環境を作ること。それは患者様への誠実な対応にも繋がります。
東通インテグレートでは、美容クリニック特有の動線や業務フローを熟知したプロが、設計段階から最適なインフラ構築をサポートいたします。「ネットのことはよくわからない」という先生こそ、ぜひお早めにご相談ください。



























コメント