1店舗目の経営が軌道に乗り、次なるステップとして「分院展開」を考える院長先生は多いでしょう。しかし、美容医療業界において「2店舗目」は最大の難所と言われています。1店舗目の成功体験をそのまま持ち込もうとして、スタッフの離職やサービス品質の低下を招き、共倒れになってしまうケースも少なくありません。
本記事では、分院展開でよくある失敗事例を紐解き、多店舗展開を成功させるために不可欠な「マネジメントの仕組み化」のポイントを解説します。

1.なぜ「2店舗目」でつまずくのか? よくある失敗の共通点
分院展開がうまくいかないクリニックには、共通した「3つの欠落」があります。
① 「院長のカリスマ性」への依存
1店舗目が成功したのは、院長自身の技術や魅力に依存していたからかもしれません。2店舗目では院長の目が届かない時間が増えるため、「院長がいなくても回る仕組み」がないと、途端に現場が混乱します。
② 教育の言語化不足
「背中を見て覚えろ」という職人堅気の教育は、多店舗展開では通用しません。マニュアル化されていない暗黙の了解(阿吽の呼吸)が、店舗間のクオリティの差を生み、患者様の満足度を下げてしまいます。
③ 評価基準の不透明さ
分院ができると、スタッフは「誰が自分の頑張りを評価してくれるのか?」という不安を抱きます。評価制度が1店舗目の感覚のままだと、不平不満が溜まり、立ち上げ直後の大事な時期にベテランスタッフが離職するリスクが高まります。

2. 多店舗展開を支える「3つの仕組み化」
壁を突破するためには、経営者のマインドを「プレイヤー」から「マネージャー」へ切り替え、以下の仕組みを構築する必要があります。
仕組み1:OS(標準動作)の徹底したマニュアル化
接客、カウンセリング、施術の手順はもちろん、クレーム対応や清掃基準に至るまで、誰がやっても同じ結果が出るように言語化します。これにより、多店舗でも「クリニックのブランド」を均一に保つことができます。
仕組み2:数値による見える化(KPI管理)
売上だけでなく、カウンセリング成約率、リピート率、物販購入率などを店舗ごとにリアルタイムで把握できる体制を整えます。感覚ではなく「数字」で現場の異変を察知し、早期に手を打てるようにします。
仕組み3:ミドルマネージャー(院長代理)の育成
院長の右腕となるリーダーの育成が最優先事項です。技術だけでなく、スタッフのモチベーション管理や計数管理ができる人材を「仕組み」として育てるプログラムが必要です。

3. 【実例解説】マネジメント刷新でV字回復した事例
分院展開後に赤字が続いていたあるクリニック様では、「全スタッフへのクレド(行動指針)共有」と「ITツールの導入による情報の一元化」を実施しました。
それまでは院長が各店舗を走り回って口頭で指示を出していましたが、チャットツールとタスク管理システムを導入し、指示の背景まで可視化。スタッフの主体性が生まれ、わずか半年で分院の利益率が15%改善し、3店舗目の展開も視野に入るまでになりました。

分院展開は、単に店舗を増やすことではなく、「仕組みを複製すること」です。院長先生が現場を離れても、同じ品質の医療サービスを提供し続けられる組織体質を作ることこそが、真の成功への鍵となります。
「自分が現場にいないと不安だ」と感じているなら、それは仕組み化に着手すべきタイミングのサインかもしれません。2店舗目、3店舗目の展開に向けて、今の組織に何が足りないのか? どのように仕組み化を進めるべきか? 経験豊富なコンサルタントが貴院の状況に合わせたロードマップをご提案します。


























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