美容クリニックを開業する際、初期費用の中で最も大きな割合を占めるのが「物件・内装費」です。コストを抑えるために「居抜き物件」を検討される先生も多いですが、果たして本当に居抜きは「安上がり」なのでしょうか?
実は、一見安く見える居抜き物件が、結果的にスケルトンからの開業よりも高くついたり、経営上の制約になったりするケースは少なくありません。
今回は、美容クリニック特化型の視点から、居抜きとスケルトンの「本当のコスト感」と、後悔しない選び方のポイントを解説します。

1.居抜き物件の落とし穴:「見えない改修コスト」と「前院のイメージ」
居抜き物件の最大の魅力は、内装や設備が残っていることによる「初期投資の軽減」と「スピード開業」です。しかし、そこには無視できないリスクが隠れています。
【注意すべきポイント】
- 設備の老朽化と規格違い: 美容医療機器は消費電力が大きく、既存の電気容量や空調設備では不足し、結局、全面的なインフラ工事が必要になることがあります。
- 動線のミスマッチ: 前のクリニック(保険診療など)の動線のままでは、プライバシーを重視する美容皮膚科のオペレーションに合わず、スタッフの動きに無駄が生じます。
- 「負の遺産」の継承: 前のクリニックが閉院した理由によっては、地域住民にマイナスのイメージを持たれている場合があり、払拭するための広告費がかさみます。
結論として、居抜きは「そのまま使える部分」が7割を超えない限り、改修費でメリットが相殺される可能性が高いと言えます。

2. スケルトン物件の正体:「高い自由度」がもたらす長期的な収益性
何もない状態から作るスケルトンは、初期費用こそ高くなりますが、中長期的な「経営効率」では圧倒的に有利です。
【スケルトンのメリット】
- 理想的な動線設計: カウンセリングルーム、処置室、パウダールームの配置を1cm単位で最適化でき、患者様の満足度と回転率を最大化できます。
- 最新機器への対応: 導入予定の機材に合わせた電源・補強・排気計画を最初から盛り込めるため、後のトラブルがありません。
- ブランディングの統一: ターゲット層(20代、40代、富裕層など)に合わせた一貫性のあるデザインを構築でき、再診率(リピート率)に寄与します。
初期投資はかさみますが、メンテナンス費用を抑えられ、売上効率を高められるため、3〜5年のスパンで見るとスケルトンの方が「実質的なコストパフォーマンス」が良いケースが多いのです。

3. 判断の基準は「譲渡代金」と「コンセプトの合致」
では、どちらを選ぶべきか。判断基準はシンプルです。
【居抜きを選ぶべきケース】
- 内装・設備が比較的新しく、自分のやりたいコンセプトと80%以上合致している。
- 造作譲渡料が格安(あるいは無償)で、かつ立地が抜群に良い。
【スケルトンを選ぶべきケース】
長期的な経営を見据え、スタッフの離職を防ぐ「働きやすさ」も追求したい。
独自のブランディングや、特定の大型機材を用いた専門性の高い治療を行いたい。

「居抜き=安い」という単純な比較ではなく、その物件が「自分の目指すクリニック経営の形」にどれだけフィットしているかが重要です。
無理に居抜き物件に自分たちのオペレーションを合わせることで、将来的に数百万円の機会損失を生むこともあります。物件選びの段階から、内装設計のプロに同行してもらい、改修にいくらかかるかの「現実的な見積もり」を取ることを強くお勧めします。
東通インテグレートでは、候補物件が「居抜きとして価値があるか」「スケルトンで理想が叶うか」を、プロの目線でシミュレーションいたします。
単なる施工業者ではなく、経営のパートナーとして、先生のビジョンに最も適した選択をサポートします。物件探しでお悩みの方、まずはお気軽にご相談ください。



























コメント